
- December 02, 2015
- diary
オフィーリアと過ごした夏
夏に川へ行った。オフィーリアのいない川。
川に沿ってずっと歩いて行って、汗をかいた頰を
冷たい水に浸けて冷やした。
誰もいない山奥の川。十代の頃から、時々ここへ来たくなる。
誰もいない。川の流れる音しかしないここへ来ると、
生ることからも遠く離れ、救われるような気がする。
死に憧れ、生を渇望する。

だけどもう、あの日には帰らない。
たまに夏のある日、一人でここを訪れて、冷たい水に足を浸して帰るだけ。
すると「生きることも爽やかに見えてくるから不思議だ」(松本隆)
かつて感じた、水の中へ引き込まれてしまいそうな磁力はもう感じない。
しかし、未だに私には、オフィーリアがそこにいるような気がしてならない。
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