2015-08-23 11-24-50
  • December 02, 2015
  • diary

オフィーリアと過ごした夏

夏に川へ行った。オフィーリアのいない川。

川に沿ってずっと歩いて行って、汗をかいた頰を

冷たい水に浸けて冷やした。

誰もいない山奥の川。十代の頃から、時々ここへ来たくなる。

誰もいない。川の流れる音しかしないここへ来ると、

生ることからも遠く離れ、救われるような気がする。

死に憧れ、生を渇望する。

 

 

だけどもう、あの日には帰らない。

たまに夏のある日、一人でここを訪れて、冷たい水に足を浸して帰るだけ。

 

すると「生きることも爽やかに見えてくるから不思議だ」(松本隆)

かつて感じた、水の中へ引き込まれてしまいそうな磁力はもう感じない。

しかし、未だに私には、オフィーリアがそこにいるような気がしてならない。