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  • September 11, 2018
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Honey Moon

中秋の名月には少し早いが、

満月といえば、かつて一緒に旅行をしたクリスのことを思い出す。

クリスは、私の友人の彼女(えらい美女である)の職場(横須賀のベース)の上司だった。

どういった経緯かはわからないが、旅行に行くことになって、そこについてきたのだ。

私は既に結婚していて奥さんを連れて行った。

友人の彼女(えらい美人)は、友人の女の子を連れてきて、私のもう一人の友人(彼女なし)はその子のことが好きで好きでたまらなかった。

結婚しているカップル+未婚のカップル+その友人の男女(男子は女子に好意を抱いている)

という、テラスハウスのような組み合わせ!?(笑)に、クリスは一人おまけでついてきたのだ。

我々は、那須岳に登り、煙草屋という2時間くらい歩いていく温泉に行き、

夜にはみんなで水着を着て露天風呂に入り、怒られたりしながら、

満天の星空や満月を眺めた。青春の一コマである。

 

クリスは、白い体をした巨漢である。だけどどこか繊細な心の持ち主で、

露天風呂で、満月にはウサギがいるんだよ。と教えてあげると

(おそらく英語で)「本当だ!本当にウサギがいるね!」ととても感動して目をキラキラさせていた。

 

次の日は、なぜか途中の綺麗な河原でクリスがベースで買ってきたBBQセットでバーベキューをした。

と言っても・・・ウインナーを焼いてホットドックのパンに焦げ目をつけてはさんで食べた。

味付けはケチャップとマスタードだけ。焦げたパンとやけにしょっぱいUSAのウインナーがやたら美味かった。

その後、(男子だけだが・・)裸になって川で泳ぐと、キャーと歓声をあげて手で顔を覆い真っ赤になった。

真っ赤に・・・。

 

その後、日光江戸村の花魁ショーでステージに上がりちょんまげを被せられたり。

お茶目な旅行を楽しんだ。彼の本当の目的は、おそらく私の友人。

彼のことが好きだったのだ。

 

彼は彼で、その後美人の彼女と別れてしまい(旅行の時から既にすれ違っていた・・・)

クリスもアメリカに帰ってしまった。

そしてもう一人の友人の恋も実らず・・・。彼女はアメリカ人と一緒になった。

 

しかし、あのとき露天風呂で、

それぞれの叶わぬ想いが交錯した湯気の向こうに見えた月は

確かに「甘い蜜の月」。

うさぎが微笑んで餅をつく。

 

 

クリスは、マック・デマルコそっくりの小太りな白人男性だった。

そんな、マック・デマルコが最近、細野晴臣の「HoneyMoon」を日本語でカバーした。

それがすごくいいのだ。原曲の良さも改めて知ることに。

(ちなみにこの映像はなんだろうか?誰かが勝手につけた映像だと思うが、すごくいい・・・!)

 

Mac DeMarco – Honey Moon

 

7月のフジロックフェスにマック・デマルコが出演していた。

私が彼のライブを見るのは、今年の2月の大雪の日のライブ以来2度目である。

2月のライブは全くふざけていて、終始ビールを飲みながら、やたら長くて、日本人のスタッフの男の子に歌わせちゃったりしながら、それでいて音楽は美しかった。

今回、それでちょっとは怒られて、真面目になったかと思いきや、ステージの後方にはファミリー席(?)のようなものが・・・。

家族や友人?たちが、飲食をしながら談笑して演奏を楽しんでいるではないか?

 

 

写真でわかるだろうか、ステージ左後方である。

彼らにとってのフジロックは

Honey Moon?

 

ちなみに、日本で初めてと言われる新婚旅行は、幕末、薩長同盟成立直後の京都寺田屋で傷を負った坂本龍馬が、妻のお龍とともに薩摩藩の西郷どんの家にかくまわれていた時、静養で霧島連山の温泉巡りをしたのが最初だと言われているそうだ。

 

追記:一緒に行った友人からの指摘!(笑

煙草屋旅館からの帰りの山道で、かなり高齢の夫婦といっしょになった。

山道が不安なので一緒に歩いて欲しいと言われ、我々よりもしっかりとした足取りの

高齢の夫婦の方と色々な話をしながら2時間歩いた。

銚子でつみれを製造していること、

たまに夫婦で二人で旅行をしてしているということ、

おそらく80歳近いその後夫婦の何度目のハネ・ムーンだったのだろうか?

 

その後も、交流は続き何度か”「本当に美味しい」銚子のつみれを送ってくれた。

手紙には、茶臼岳の麓の旅館の食事が美味しかったという話が書いてあった。

 

そのとき恋に破れた友人も、彼女と別れた友人も今では、それぞれのハネムーンを。

と、補足しておこう。

「ハッピーエンド」である。