LAI005
  • July 06, 2015
  • diary

ゆーとぴあ

ユートピアとは理想郷のこと。

ゆーとぴあとひらがなで書くとそれはそれでコントのよう。

今日の昼休み、松田聖子の1983年6月発売のアルバム「ユートピア」をターンテーブルに乗せて聴いてみた。

おそらく、30年ぶりにである。30年・・・。

まあ、気を取り直して、

その30年の間にいろいろな世界の音楽を聴いて来た。

だけど、こんなヴォーカル他に聴いたことがない。

ぶりっこである。ぶりっこぶりぶりロックンロールと言うのもあったくらい。

鼻にかかった、甘えた、媚びた様な歌い方で・・・。

だけど47歳になった私は瞬間で恋に落ちてしまう。15の時と全く同じ。

聴いた人が全員恋に落ちる。そんな彼女のマジックに、

松本隆がクールなエッセンスの歌詞を乗せる。

 

「靴の底には砂がつまって痛いから

逆さに振れば二人だけの夏がこぼれるわ 」

 

こぼれた夏は、まだ彼女の手の中にある。

 

このレコードのジャケット。よく見れば全然ユートピアじゃない。

おそらく都内のプールか、スタジオに水を張って、

多忙のスケジュールに合間、1〜2時間で撮影をしたに違いない。

これがハワイロケとかだったら、二度と聴かない様なアルバムになっていたかもしれない。

ユートピアは幻想なのよ。とでも言いたげな、彼女のとろけたまなざしに、

リアリティーを感じて、疑似恋愛に陥ったのは私だけではなかったはずだ。

 

彼女は全てをわかっていた。

だから今でも歌い続けられる。

当時、多くのティーンエイジャーは、

そんな彼女のマジックに身を委ね、

そのプールへと自らダイブした。

リアルな世界に別れを告げて。

彼女が描く理想郷と言う名の、虚構の世界に。