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  • September 11, 2016
  • diary

ヒア・カム・ザ・サン〜息子が来た

かつて世界を旅する人になりたかった。

旅行記を得意とする小説家や、写真家、世界をまたにかける音楽家。

だけども、 あまり世界を旅することがない、今の職業に落ち着いた。

だから憧れる。まだ見ぬ土地でのまだ見ぬ出会い。

それは日本国内であっても同じこと。

遅い夏休みを取って、犬を車に乗せて西へと向かった。

 

> 天野橋立

> 丹後半島

> 伊根舟屋

> 天空の城「竹田城」

人生においても初めてではないかというくらい、観光地を巡った。

美しい海岸の数々に巡り合った。

 

山の形が気に入った。リオデジャネイロの海岸のようだ。

雲の形も可愛いい、 時折日差しを遮ってその影を砂浜に映す。

“ヒア・カム・ザ・サン”

早く日差しよやって来い!

 

 

来た!日差し。

“ヒア・カム・ザ・サン”

そしたらこの旅行、息子がやってきた。

 

今は、京都で寮で暮らしながら学校へ行っている。

(正確には学校へ行っていない・・・。)

話せば長いのだが、入学式からすっぽかそうとして、その後しばらく音信不通。

かろうじてGPSで消息を確認するが、気がつくと1年生の前期の授業のほとんどに出ていないらしい。

何をしてたのだろうか?

そして夏休みも帰省せず、そんな息子を拉致しようかという企みで西へ向かい、

京都に立ち寄ると、わりとすんなり付いてきた。

 

 

ここでは、なぜか海岸に佇む廃墟を見つけて喜んでいた。

 

 

かつて私が世界を旅する人になりたかったかのように、

彼は彼のペースで、今どこかの世界を旅しているのかもしれない。

そう考えれば、十九歳の今、好きなように生きればいい。

“ヒア・カム・ザ・サン”

今ここに息子が来た。来てくれただけで感謝。

 

 

波と戯れる孫を見つめる背中を出したオヤジ。その眼差しは優しく温かい。

 

 

嫁は、拾った栗を息子の伸びた髪の毛につけて遊んでいる。これも母の愛!?

 

 

息子はそれにも動じずに、軽くやり過ごす。ずっとそのままで歩いて行った。

犬を抱えて、頭に栗をつけた若者。すれ違う人たちを和ませる。

ごめんね本当に。

“ヒア・カム・ザ・サン”

こんな両親に付き合ってくれてありがとう。

だけど、ちょっとは学校に行こうね・・・。

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ヒア・カム・ザ・サン - ザ・ビートルズ

太陽がやってきた
陽が射してきた
もう大丈夫

愛しい人よ
長く冷たく寂しい冬だったね
愛しい人よ
ずっと太陽を忘れていたような気がするよ

太陽が現れた
陽が射してきたんだ
もう心配いらないよ

愛しい君よ
人々の顔に微笑みが戻ってきた
長い間、太陽を待ち焦がれていた気分だったよ

太陽の季節がきた
明るい陽が射してきた
これでもう大丈夫さ

太陽がやってきた!
太陽が現れた!
陽が射してきた!
明るい太陽が顔を見せた!
光が射しこんできた!

愛する君よ
氷がゆっくりと溶け始めてきているよ
愛する君よ
晴れていた時のことなんて遠い昔のように思っていたけれど

ほら、太陽がやってきた
晴れた日がやってきた

もう大丈夫さ
もう心配はいらないよ