2016-08-02 08-52-47
  • August 20, 2016
  • diary

夏のクラクション

白いクーペではなくて、セダンから流れていたのは稲垣潤一ベストだった。

「思い出のビーチクラブも今は、閉鎖されて水の無いプールだけ。」

今はもう無いのは中三の春休みに、初めてアルバイトした地元のガソリンスタンド。

先日通りかかったら閉鎖されていた。

 

暇があれば、(大抵暇だった・・・)なぜか

元暴走族だった、アルバイトの先輩の白いローレル(シャコタン)を洗車させられていた。

当然土足厳禁。車内はワインレットのベルベットでコーディネイトされていて、

きつめのカーコロン。適当に掃除すると、本当に(微笑みながら)首をキツく絞められた。

濡れたウエスでモモを叩かれて、ミミズ腫れになった。

私は15歳で、先輩だって18や19歳だったと思う。

仕事中なのに、なぜか助手席にはいつも愛想の無い彼女が乗っていた。

時折いなくなり、また戻ってきて座っている。

カーステから「夏のクラクション」。

稲垣潤一を聞くと、あの時のことを思い出す。あの強いカーコロンの匂い。

先日、ドンキホーテで見つけて思わず買ってしまった。

 

海沿いのカーブを走るたびに思い出す。先輩元気でいるだろうか?

あの彼女も元気かな?微笑むと歯が黒くてガタガタだった。

 

 

夏のクラクション/稲垣潤一

 

海沿いのカ一ブを君の白いク一ペ

曲がれば夏も終わる

惡いのは僕だよ 優しすぎる女(ひと)に

甘えていたのさ

傷口に注ぐGINのようだね

胸がいたい 胸がいたい

 

夏のクラクション

Baby もう一度鳴らしてくれ

In My Heart

夏のクラクション

あの日のように 聽かせてくれ

跡切れた夢を 搖り起すように

 

海沿いのカ一ブを二つの夏過ぎて

今年もひとりきりさ

「夢をつかまえて」と泣いたままの君が

波間で手を振る

傷跡に觸れたまるでKNIFEさ

瞳閉じる 瞳閉じる

 

夏のクラクション

Baby もう一度鳴らしてくれ

In My Heart

夏のクラクション

風に消されて もう聽こえない

Leave Me Alone

(So lonely summer days)

 

夏のクラクション

Baby もう一度鳴らしてくれ

In My Heart

 

夏のクラクション

あの日のように 聽かせてくれ

躓きそうな 僕を振り返り

 

そういえば、渡辺美里も「クラクション三回空に合図して」(BIG WAVEやってきた)と歌っている。

海ではクラクション鳴らすものなのか?

クラクションの向こうに見えたのはなんだったのか?

 

先輩の車で一度だけ江ノ島まで、ドライブしたことがある。

ボーリングをしに行ったのだ。

だけど、あの時夜明けの海岸線。

海沿いのカーブで、鳴らした先輩のクラクションは、

「ゴットファーザー愛のテーマ」だった。