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  • November 09, 2015
  • diary

架空の娘

「あの角を曲がっても消えないでよ消えないでよ」

 

息子がティーンエイジャーで、同級生もティーンエイジャーである。
そもそも娘が欲しかったので、
息子の同級生(クラスの7割女子)も娘のようなものである。

架空の娘である。

PTA活動をしているので、入学時からなんとなく知ってる子が、年々成長していく。
真面目な意味で大人の階段を登っていくのを見ている。
それは順風満帆とは限らない。

同じく娘を持ったPTAの父兄と、涙ながらに酒を酌み交わす。
2年間、ほとんど口をきいてくれなかった娘が、最近話しかけてくれるようになったと・・・。
涙無くは聞けない話。だけど良かったじゃないですか。

娘さんの話は少し羨ましく、大部分安堵する。
うちの息子は口数少ないが単純で良かった。
世の中のことを何一つ問題だとは感じない、素敵な性格。

だけど、娘だったら・・・。
世の中のことをすべて問題だと感じる子だったら!?
しかしそれもすべて想像の話。
相変わらず、人の娘の写真を撮って いる。
架空の娘として。

 

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ペダル フジファブリック

だいだい色 そしてピンク 咲いている花が
まぶしいと感じるなんて しょうがないのかい?

平凡な日々にもちょっと好感を持って
毎回の景色にだって 愛着が湧いた

あの角を曲がっても
消えないでよ 消えないでよ

上空に線を描いた飛行機雲が
僕が向かう方向と垂直になった
だんだんと線がかすんで曲線になった

何軒か隣の犬が僕を見つけて
すり寄ってくるのはちょっと面倒だったり

あの角を曲がっても
消えないでよ
消えないでよ

駆け出した自転車は
いつまでも
追いつけないよ

そういえばいつか語ってくれた話の
続きはこの間
人から聞いてしまったよ

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大丈夫だよ。消えて無くなったと思っても。

そう簡単には無くならないから。

だけど、一度は無くなったように見えてしまうんだということに気づくのに、

かなりの時間を有してしまうけどね。