トースト画像
  • November 26, 2014
  • diary

黄金比とトースト

黄金比。

 

黒板を見つめていた16年間のうちの、

たったの50分くらい、

チョークの先からこぼれ落ちて、

網膜にほんのわずかな火傷だけ残した言葉。

 

この会社に入ってから、

この概念を実用している現場に初めて立ち会い、

意識の中に舞い戻ってきました。

 

黄金比。

A○とかB○用紙の、縦・横の比。

 

にしても、このテッパンは

どこの誰が決めたのか。

 

自然界に絶対的に君臨している、この比率。

 

神さま?

 

ちょっと待って。

高圧的な神さま。

 

美しさの基準って、人間の数だけあってもおかしくないよね。

 

 

と、絶対君主に果敢にも異議を唱えたくなったのは、

 

好みの加減で焼き上がった

角切りトーストをちゃんと眺めてみた朝。

 

瑞々しい朝日の中に、音一つたてずにたたずむ、

黄金色の正方形。
その姿がとても美しく、

一列、また一列と齧っていくたびに、

完璧な美は失われていったのでした。

 

トーストの美しさ、それと反比例して、

お腹は満たされ、エネルギーとなり、

毎日私は無事に出社をすることができている、という仕組みです。

 

ありがとう、角切りトーストの美よ。

 

そうか、私の黄金比は、

きっと一対一なんだ。

それでもいいよね。

 

みんなにも、自分だけの黄金比が眠っているのかな?

 

 

コルコバードのライター志望の秘書、及川がお届けしました。

次回は、湘南らしい話題をご期待下さい。

(及川詩麻)